【アポリアの休日】

 

アポリアの休日

日常に向き合い思考することは、日々積み重ねていくことによって形成されていく。
毎日針を刺すこと、毎日木を彫ること、毎日絵を描くこと。

ひと針ひと針刺すことで形を作っていく過程を大切にしている小野愛は、針という凶器で刺す痛みと同時に、千人針のように念がこもる想いや祈りを大切にして制作している。竹下真澄は彫刻によってその行為を表しており、縫い付けることと木を削ぐことは真逆の行為のようだが、そこには想いと時間が重なっている。
また、架空の設定の中で記憶や感情といった形のないものをリアルに表すことは、毎日1枚必ず絵を描いている平井豊果の描く世界にも広がっている。

時間の流れは速く、“いま”は一瞬で過去になり、未来がいまになる。時間のアポリアと呼ばれる不思議な自己矛盾につきまとわれているが、コロナ禍のなかでも時間は普段とは異なった感覚を与えながらも、確実に過ぎていった。
そうした時代を生き抜き、行き詰まり、悩みながらも日常的に制作と向き合うことで、作品たちには深い時間の流れが、それぞれの時間の積み重ねが刻まれた。
そうしていまを生きる、3名の作家によるグループ展をぜひご覧いただきたい。

■企画
kafkanako

■出展作家
小野愛 / 竹下真澄 / 平井豊果

■会期
2020年9月26日(土)~10月11日(日) 12:00~19:00 ※月曜日・火曜日休廊

※お越しになる際は必ず【ご案内】をご覧ください。

■作家紹介

小野愛 MEGUMI ONO

アーティスト
1989年、大分県生まれ。
2011年、香蘭ファッション専門学校ファッションデザイン専攻科卒業。
2011~2013年ファッションデザイン塾 COCOA 一期生。
2013~2015年 BEPPU PROJECT 運営の居住アトリエスペース清島アパートにて製作を行う。
2019年、千葉県に拠点を移す。まちづケリエイティブ運営 MADマンションに入居。

<個展>
2019.09 時間を縫って眺める。
2015.09 二つの脳(フタバアパート/別府)
2015.02 megumi ono exhibition(TAGSTA/福岡)
2014.11 ヒトリゴト(platform02/別府)
2013.11 小野愛写真展(清島ギャラリー/別府)

<グループ展>
2019.10 7人展(wazawaza201ギャラリー/ 大分)
2019.09 Dress~内と外~(wazawaza201ギャラリー/ 大分)
2019.05 SICF19 Winners Exhibition (スパイラル/東京)
2018.03 Insight(GALLERY ART POINT/東京)
2019.01 グループ展B(THE MICRO MUSEUM/東京)
2018.05 SICF19(スパイラル/東京)
2018.03 Fragments展 2018(GALLERY ART POINT/東京)
2018.01 New Year Selection 2018(GALLERY ART POINT/東京)
2017.05 SICF18(スパイラルホール/東京)
2016.11 大分アートクロニクル(大分県立美術館OPAM/大分)
2016.03 SOZO展2016(佐伯市城下町観光交流館/佐伯)
2015.11 第5回 ピックアップアーティスト展(アートプラザ/大分)
2014.01 第3回 ピックアップアーティスト展(アートプラザ/大分)
2013.11 Art project Oita 2013 循環 現代美術館(フンドーキンマンション/大分)
2013.11 ART MEETS BEPPU(喫茶なつめ/別府)
2013.04 COCOA発表会(アートフェア東京事務所/東京)
2011.10 COCOA発表会(懐庵/糸島)

<受賞歴>
2018.05 SICF19 スパイラル奨励賞受賞(スパイラル/東京)
2016.07 第5回床の間アートコンペ 最優秀賞受賞(おんくり/佐賀)

<作家ステイトメント>
布に綿を詰めた立体の作品を中心に作品をつくっています。立体作品を作る上で、ひと針ひと針刺すことで形を作っていく過程を大切にしています 千人針や背守りのように思いをひと針に込めるということ。針で刺すという行為について考えながら制作をしています。人体を再現した部分と本来目に見えないものを抽象的に表した部分を組み合わせることで架空の設定 の中で記憶や感情といった形のないものをリアルに表したいと思っています。日常に向き合い思考していくための方法として制作を続けており、そんな作品が見る人の心に少しでも触れることができれば幸いです。

WEB:https://www.megumiono.com
Instagram:https://www.instagram.com/_megumiono_/


竹下真澄 MASUMI TAKESHITA

彫刻家
1978年 静岡県静岡市に生まれる
1996年 静岡県立清水南高等学校 芸術科 卒業
2001年 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻 卒業
2003年  同 大学院美術研究科彫刻専攻 修了
2018年 武蔵野美術大学造形学部通信教育課程油絵学科絵画コース 卒業
2020年 3月まで愛知県立芸術大学 非常勤講師を勤める。
現在   静岡県立清水南高等学校 非常勤講師
     名古屋造形大学 非常勤講師

<活動>
2000年 第21回国際瀧冨士美術賞 受賞
2004年 那須野が原国際彫刻シンポジウムIN大田原2004 招待作家として参加
2016年 ハラパ・福井交流現代美術展(メキシコ)
2017年 Ⅻ SCUPTURE SYMPOSIUM JASENOVO(セルビア) 招待作家として参加
2004年から個展・グループ展等で発表。

<パブリックコレクション> 
栃木県大田原市、JASENOVO(セルビア)

<作家ステイトメント>
多くの人と出会い、また道行く人を観察することで私の中に「人」のかたちが形成されていく。形成されるものは実在する誰かではなく「人」というかたちで存在する。私は様々な素材を用いて「人」のかたちを作り出している。 作り出した「人」は人間の形体だけではなく実在する人間のように空間や環境を携えている。しかし、作品が一個の人間として存在するわけではない。私の作品は人と人が対面するのではなく、人の中の「人」に対面する入り口である。 自己の内なる対面は記憶や感情に働きかけ、人としての生を認識させる。私はその作用を美しく感じる。私は美しいものを作り続けたい。

Instagram:https://www.instagram.com/takeshita_masumi/


平井豊果 YUTAKA HIRAI

アーティスト・イラストレーター
神奈川県鎌倉市生まれ
2013年暮れから現在まで毎日何か一つ制作する事を続けています。

<主な展覧会>
2010
江ノ電沿線10galleryT
2011
横浜トリエンナーレ連帯プログラム黄金町バザール GALA House
2015
730days COBAKABA
2017
個展「真夜中の肖像」ondo STAY&EXHIBITION 蒐集衆商 青山スパイラルガーデン セレクター遠山正道推薦
2018
個展「真夜中の亡国」無印良品 MUJI新宿 Cafe&Meal MUJI新宿
個展原点回帰 TETOKA
cat power ギャラリールモンド
mement mori展 ギャラリールモンド
コンテンポラリーシック 阪急梅田
イラストレーションウエーブvol.1
2019
paperworks展 blankギャラリー
rooms EXPERIENCE 38 tagboatブース
思いは細部に宿る Oomachiギャラリー
ボーダレス展 ondo STAY&EXHIBITION
曖昧の断片 MASATAKA CONTEMPORARY

Web:https://uraharaukiuki.wixsite.com/hiraiyutka
Instagram:https://www.instagram.com/aoironica/



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